流行サイクルの早いファッションの世界というのは、非常に瞬発力と感度が重要な商売だ。2年前にブームだったものが、今年流行遅れになってしまうということは、決して珍しくはない。しかも、セレクトショップという小売業は、常に、旬なものを取り上げ続けなければならない。特定のブランドに頼れないが、それに束縛もされない。逆をいえば、どこよりも先に次の旬を見つけ、旬を過ぎれば切り捨てるという側面を宿命的に背負っている。その意味で、非常に理に叶っている。バイヤーの自由裁量の大きさにも、その意味では非常に大きなメリットがある。これは、あるインポーターから聞いた話だが、ビームスのバイヤーは、新しいものに反応するスピードが非常に早いのだそうだ。つまり、予定外の出物があると、他のバイヤーだと一旦、持ち帰って上司と相談させてください」、あるいは、「今季の予算の使い道は決まってしまっているので、来季に検討させてください」、というケースでも、ビームスのバイヤーは本当にいいと思ったら即決してオーダーしてくれるというのだ。結果、どこよりも早く店にその商品が並ぶということにそれが繋がるとすれば、それはスピード感が求められるセレクトショップには大きなアドバンテージになる。ビームスのいう半歩先という感度を支えているのは、バイヤーのこのフットワークの軽さも、おそらくは貢献しているに違いない。それを先天的に持ち合わせているのか、確固たる経営哲学として確信犯的に駆使しているのかは、わからないが、この感覚経営というスタイルは、ギャンブル的な要素を多分に含んではいるものの、その勘が当たり続ける限り、ファッションビジネスの勝ち組として生き残るための資質ともいえるわけである。